技術・人文知識・国際業務ビザ-申請のポイント(条件)
2023/01/17
就労ビザ-手続き&ケース

就労系のビザのひとつであり、もっとも代表的な技術・人文知識・国際業務ビザについて説明します。
このページでわかること
1.技術・人文知識・国際業務ビザについて
2.取得のためのポイント① 業務内容と大学等での専攻科目
3.取得のためのポイント② 外国人の学歴との関連性
4.取得のためのポイント③ 会社と外国人との契約
5.取得のためのポイント④ 会社について
6.取得のためのポイント⑤ 外国人の素行
7.関連情報
技術・人文知識・国際業務ビザについて
この在留資格(ビザ)は、いわゆる「就労ビザ(working visa)」の中ではもっともメジャーなものです。
それは、この在留資格(ビザ)にあてはまる職種というのがほぼ、一般的な企業で働く業種を網羅していると考えられるからです。
■技術・人文知識・国際業務ビザの業種例
エンジニア、プログラマーなどIT系
総務、経理、マーケティング、営業、商品開発、デザイナーなど
翻訳、通訳、語学教師など
そして、技術・人文知識・国際業務ビザが認められるためには、いくつかポイントがあります。
■取得のためのポイント
*外国人が個人で申請できるものではない
*会社と雇用契約等を結んだ後に申請できる
*会社の規模等にも審査は関係する
それではこの、ポイントを見てみましょう。
取得のためのポイント① 業務内容と大学等での専攻科目
法律上の要件
1)理学、工学、その他の自然科学の分野、法律学、経済学、社会学、その他の人文科学の分野に属する技術や知識を必要とする業務に従事する活動
2)外国の文化に基盤を有する思考や感受性を必要とする業務に従事する活動
この要件から、専門性のある職種であることと、その専門性を活かせる職種であることが求められているのがわかります。
いわゆる単純作業的な業務では、この在留資格(ビザ)は認められないことになります。
■専門性のある職種の例
1)自然科学の分野(理系)
システムエンジニア
プログラマー
機械系、電気系のエンジニア など
1)人文科学の分野(文系)
営業
総務
経理
広報宣伝
商品開発
貿易
マーケティング など
2)外国の文化に基盤を有する分野
翻訳
通訳
語学教師 など
このような職務内容につくためには、外国人がこれまでに大学等で学んできた専攻科目と関連していることが必要です。
それはなぜか?
そこも要件として求められています。
では次に、外国人の学歴について見てみましょう。
取得のためのポイント② 外国人の学歴との関連性
法律上の要件(理系、文系の場合)
■次のいずれかに該当していること
a.従事する業務の技術、知識に関連する科目を専攻して大学を卒業していること、または同等以上の教育を受けたこと
b.従事する業務の技術、知識に関連する科目を専攻して日本の専修学校の専門課程を修了したこと
c.10年以上の実務経験を持っていること
*情報処理系については、一定の試験合格、または資格者は上記にあてはまらなくても可能
このようにしっかりと要件として学歴があげられています。
*大学について
■学歴として認められるもの
日本の大学、大学院
海外の大学、大学院、短期大学
*海外の場合、卒業証書で確認→「Bachelor」「Master」「Doctor」
*専門学校について
■学歴として認められるもの
日本の専門学校のみ
*「専門士」を取得していることが必要
*専攻した科目と業務の関連性について
■専攻した科目と完全に一致していることまでは求めていない
■履修科目も含めてよい
■大学卒業者は、関連性の判断は比較的緩やか
メインの専攻以外にも複数の科目を取っていると思いますので、卒業した学校の履修証明書等を見て、業務内容と関連する科目がないか見ることは大切です。
また、大学卒業者は総合的に幅広く知識を持っていることがうかがえますので、比較的緩やかな判断がなされているようです。
とはいえ、単純な作業的な業務は認められないことには変わりません。
では学歴がない場合はいっさい認められないか?
というと、「C」の実務経験という要件もあります。
■実務経験として認められるためには
*10年間の職歴を証明するものが必要
*専門学校等で学んだ期間は含めてOK
職歴の証明は、一般的には「在職証明書」を提出します。
在職証明書を前職の会社等で作成してもらうことになりますので、例えば会社が現在はないような場合は、証明書が取れず、実務経験が証明できないことになります。
そうなると実務経験での取得はできなくなりますのでご注意ください。
なお、その他の書類、例えば契約書や収入を証明するもの等がある場合、前職での職種がわかるのであれば可能ですが、分からない場合はその業務での証明ができないため、これも取得はできないことになります。
*情報処理関係の特例について
システムエンジニア等の職種で、一定の試験の合格者、資格者については、学歴や職歴が不要となります。
日本の試験、資格だけではなく、中国、フィリピン、ベトナム、ミャンマー、マレーシア、タイ、モンゴル、バングラデシュ、シンガポール、韓国でのもののあります。
■情報処理関係の特例(出入国在留管理庁ページ)
法律上の要件(外国の文化に基盤を有する分野の場合)
■次のいずれにも該当していること
ア.翻訳、通訳、語学の指導、広報、宣伝、海外取引業務、服飾、室内装飾に係るデザイン、商品開発、その他これらに類似する業務に従事すること
イ.従事する業務に関連する業務について3年以上の実務経験を持っていること
*大学を卒業した外国人は、上記にあてはまらなくても可能
翻訳、通訳、語学教師の場合は、3年の実務経験を証明できれば、学歴は不要です。
この「実務経験」の証明については「在職証明書」等が必要です。
また、大学を卒業している場合は、3年の実務経験は不要です。
この大学は、海外の大学も含みますが、海外の大学の場合、別途、翻訳する言語(日本語等)の知識を持っていることは必要となりますので注意が必要です。
取得のためのポイント③ 会社と外国人との契約
法律上の要件
■日本の公私の機関との契約に基づいて行う専門知識を要する業務に従事すること
■日本人が従事する場合に受ける報酬と同等以上の報酬を受けること
この「契約」は、通常「雇用契約」のことをいいます。
雇用契約を結んだ上で申請となりますのでご注意ください。
なお、「派遣契約」や「請負契約」でも可能です。
報酬(給与額)については、同じ業務で採用する日本人と同等以上となります。
このあたり、疑いがあれば入管は追加資料等の提出を要求をするなりで調べますのでご注意ください(不許可例にもでています)。
取得のためのポイント④ 会社について
会社の規模については、カテゴリー分けがなされています。
■カテゴリー1
①日本の証券取引所に上場している企業
②保険業を営む相互会社
③日本または外国の国・地方公共団体
④独立行政法人
⑤特殊法人・認可法人
⑥日本の国・地方共団体認可の公益法人
⑦法人税法別表第1に掲げる公共法人
⑧高度専門職省令第1条第1項各号の表の特別加算の項の中欄イ、またはロの対象企業(参照:イノベーション創出企業)
⑨一定の条件を満たす企業(参照:一定の条件を満たす企業について)
■カテゴリー2
①前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表中、給与所得の源泉徴収合計表の源泉徴収税額が1,000万円以上の企業・個人
②在留申請オンラインシステムの利用申出の承認を受けている企業(カテゴリー1及び4の企業を除く)
■カテゴリー3
前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定行書合計表を提出された企業・個人(カテゴリー2を除く)
■カテゴリー4
カテゴリー1から4に該当しない企業・個人
このカテゴリーは提出する必要書類について違いがあることを指しているのであって、必要書類をそろえて提出すればどのカテゴリーの会社であっても審査、許可は可能なのです。
ですので、社長がおひとりの会社であっても許可は取得可能ですのでご安心ください。
会社設立して1年未満の会社や、既存の会社でも新規事業での採用と言った場合は、事業計画書を作成して申請することになります。
*会社の安定性と継続性について
大切なのは安定性と継続性です。
この確認のため、決算書を添付資料として求められています。
赤字になっている場合は申請のときに注意が必要です。
それは、社員に給与が支払えないのではないか、との懸念からですので、対策を講じていることを書類として証明していくことで許可の可能性はあります。
*会社の規模と外国人の在留期間について
技術・人文知識・国際業務ビザの在留期間
5年、3年、1年、3カ月
何年の在留期間が許可されるかについては、在留資格(ビザ)の種類によっても変わりますが、技術・人文知識・国際業務ビザに関しては、外国人個人よりは就職した会社の規模等によるものが大きいです。
上場企業のようなカテゴリー1に雇用される場合、海外からの呼び寄せとしても初回から最長の「5年」が出ていることは珍しくありません。
上場企業等の安定性、継続性が証明されている結果と考えられるのではないでしょうか。
取得のためのポイント⑤ 外国人の素行
外国人の過去について、素行不良がないかどうかは重要です。
犯罪を犯している等の場合、在留資格(ビザ)の更新ができなくなるため、あまりないとは思いますが、もし審査の過程で分かった場合は不許可となりますので採用の際は注意が必要です。

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就労系の在留資格(ビザ)を申請する場合は、外国人が就労する業務内容と外国人の学歴や職歴にマッチしていることが大前提にあります。
本国の大学、日本の大学、専門学校等での履修科目を確認していくことも必要になってきます。また、実務経験の場合は前職での経歴の分かる書類の提出が必須です。
審査は提出した書類のみで判断されますので、説明や資料が不十分と判断されると不許可になることもあり、事前にしっかりと審査のポイントを押さえて必要書類も準備する必要があります。
会社の規模、新事業等、ご事情は違うと思いますので、もし少しでも不安になることがありましたら、まずはご相談ください!ご事情をお聞きし、総合的にみて一度で許可となるようにご提案をさせていただきます。どうぞご安心してご相談ください。
初回相談は無料にてご対応しております。下記メールフォームからお問い合わせください。

この記事の作成者:行政書士 川西真由美
2014年6月 行政書士登録 申請取次行政書士
大阪府松原市にてハピネス行政書士事務所を運営
取扱業務 外国人の在留資格申請代行、帰化申請書類作成等
