帰化申請:普通帰化-取得のポイント(条件)
2023/01/19
帰化申請-手続き&ケース
ここでは帰化申請のうち、普通帰化のポイント(条件)を説明します。

このページでわかること
1.帰化申請について
2.普通帰化のポイント① 住居要件
3.普通帰化のポイント② 能力要件
4.普通帰化のポイント③ 素行要件
5.普通帰化のポイント④ 生計要件
6.普通帰化のポイント⑤ 喪失要件
7.普通帰化のポイント⑥ 思想要件
8.普通帰化のポイント⑦ 日本語能力要件
9.関連情報
帰化申請について
日本国籍を取得することを帰化と言います。
そしてこの日本国籍を取得するための手続きが帰化申請です。
日本に長年住んでいて、日本の暮らしにすっかり馴染んでおり、もはや日本人として生きていきたい方、
また、日本人と結婚してお子さまも日本で生まれ育ち、生活の拠点はすでに日本である方、
もともと日本に興味があり実際に住んでみて好きになり、このまま日本人として生きていく!という方、
そして日本で生まれ育ち、ご自分で日本人と思っているという方などなど。
帰化申請を考える方は多いことと思います。
その帰化申請には種類があります。
■帰化申請の種類(国籍法)
1.普通帰化
2.簡易帰化
3.大帰化
この種類はそれぞれ対象となる外国人がかわります。
■帰化種類の対象となる外国人
1.普通帰化
対象者:生まれは外国、日本には留学や就労ビザを持って来られた方
2.簡易帰化
対象者:特別永住者(在日韓国人・朝鮮人)
日本人と結婚した方
日本人の子として生まれた方 など
3.大帰化
対象者:日本に対して特別に功労実績のある外国人
そして、この帰化申請の種類により、要件(条件)がかわります。
ここでは「普通帰化」について説明します。
普通帰化のポイント① 住居要件
法律上の要件
引き続き5年以上日本に住所を有すること(5条1項1号)
この要件は以下2つを意味します。
1)5年以上日本に継続して住んでいる
2)就労系ビザを持って働いた期間が3年以上ある
1)について
5年以上、引き続いて日本に居住していることが必要です。
*「引き続き」
これは、とぎれることなく5年続いていることを言うのですが、日本からの出国が多いと、「引き続き」とは見れず、年数がリセットされてしまうため注意が必要です。
■引き続きがリセットされる出国
1回の出国が3カ月以上
年間で出国した日数の合計が100日以上
*自己都合ではない場合のみ、証明書類の提出により、多少の考慮はある模様(あくまで可能性)
例えば、3年間日本に住んでいたが、4カ月間日本以外の国へ留学して、また日本に戻り2年間住んでいても、留学前の3年間は居住年数としては含められず、2年間が日本居住年数となります。
2)について
この5年間のうち、3年間は就労系ビザを持って働いていることが必要です。
就労系ビザを持っていれば、正社員以外にも、契約社員、派遣社員でも問題ありません。
ただし、転職して1年から2年の場合は、安定性がないとして不許可のリスクが高まります。
転職後の会社で2年間は働いた上で申請する方がベストとは言えます。
こちらについてご不安な方はご相談ください。
*10年以上日本に住んでいる外国人について
簡易帰化の要件にあてはまります。
10年のうち、1年間就労系ビザを持って働いていること
例えば、9年間留学生、就労ビザを持って1年間働いていれば申請可能です。
*在留特別許可
現在の結婚時、または過去に日本人と結婚したことがある方で、在留特別許可を取得している場合は、取得時から15年経過後から帰化の申請が可能となります。
こちらは住居要件のいわばペナルティです。

普通帰化のポイント② 能力要件
法律上の要件
20歳以上で本国法によって行為能力を有すること(5条1項2号)
2022年4月に民法が改正されたため、現在は「18歳以上」であれば単独での申請が可能です。
そのため、大学在学中に帰化したい方にとって、時間的な余裕が以前より増えました。
*18歳未満の方は、ご両親と一緒ですと帰化申請が可能です。

普通帰化のポイント③ 素行要件
法律上の要件
素行が善良であること(5条1項3号)
素行が善良とは、ひと言でいうと、真面目な人かどうか、ということになります。
「真面目」の定義も様々かもしれないですが、帰化申請においては以下の3点が求められます。
■素行善良の3点
1)税金の支払い
2)健康保険、年金の支払い
3)交通違反など
税金(住民税、国民健康保険、国民年金)は支払っていること、かつ、納付期限も守っていることが必要です。
1)について
■会社員の場合
住民税が特別徴収であれば、概ね問題ありません
住民税が普通徴収の場合
ご自身で納付書等により支払っている → 未納がなければ問題ありません
*特別徴収
給与から住民税として差し引かれている場合
*普通徴収
ご本人宛に支払いの納付書が届きます
会社員でしか働いたことがない方も、転職したことがある場合は注意が必要です。
退職後、次の会社に就職するまでの間、普通徴収に切り替わっている場合があります。
また、就職した会社で住民税を差し引かない場合も稀ですがあります。
もし、ご自身の支払い状況がどのようになっているか不安があるようでしたら、住民税については市役所等へ未納がないかの確認をされることをお勧めします。
■経営者の場合
ご本人の個人の住民税
会社の法人税、事業税、消費税など
会社の場合は、3期分の納税証明書等を提出します。
未納がなければ問題ありません
会社経営者については、税金関係の支払いについての知識は持っているものと判断されます。
未納の場合はまず許可にはならないことを心に留めておいてください。
*追徴課税や分割納付になっている場合、支払いが完了してから申請となります(未完了だと不許可になります)
■個人事業主の場合
ご本人の個人の住民税、個人事業税
売上に応じて消費税など
未納がなければ問題ありません
個人事業主の方は通常、普通徴収になっていますので、支払いについては特にご注意ください。
*配偶者や同居者がいる場合
結婚されている方は配偶者の住民税も関係します。
また、お子さまやご両親、ご兄弟姉妹が同居されている場合、彼氏彼女と同棲されている場合も関係します。
配偶者や同居者が帰化をされなくても変わりませんのでご注意ください(生計をともにしているため)。
未納がなければ問題ありません。
*扶養者について
扶養者として、例えば海外在住のご両親を含めている場合は、その証明を提出しなければなりません。
証明というのは、海外への送金履歴などです。
現在は扶養に入れるには証明が必要となっているため問題ないかと思いますが、適正な扶養ではないと心当たりがある方がもしいましたら、適正(扶養を外す)にして、住民税の修正申告と支払いをした上での申請となります。
特にご注意ください。
2)について
■会社員の場合
会社で社会保険に加入、給与より差し引かれている場合は、概ね問題ありません
会社員でしか働いたことがない方も、転職したことがある場合は注意が必要です。
退職後、次の会社に就職するまでに期間がある場合、国民年金に切り替わります(任意継続をされている場合は除く)。
また、就職した会社で社会保険に加入していない場合も、たいへん稀ですが、まだあるのが現状です。
もし、ご自身の支払い状況がどのようになっているか不安があるようでしたら、国民健康保険については市役所等へ未納がないかの確認をされることをお勧めします。
年金については、「ねんきん定期便」を日本年金機構から取り寄せることもできますので、不安がある方は確認することをお勧めします。
■経営者の場合
会社として社会保険に加入が必須
納付状況も提出します → 未納がなければ問題ありません
社会保険に加入していない場合は、即NGです。
まず申請を受け付けてもらえません。
申請時に支払っていることが必須です。
ここに裁量はないものとお考えいただく方がよいです。
■個人事業主の場合
従業員数が5人以下の場合 → 国民健康保険の加入
未納がなければ問題ありません
従業員数が5人以上の場合 → 社会保険に加入が必須
納付状況も提出します → 未納がなければ問題ありません
従業員が5人以上いる場合に社会保険加入は必須であり、加入していなければ、即NGです。
この場合は会社経営者と同じです。
経営者の方は未納のあるなしについては把握していると思いますが、現状どのようになっているか確認されたい場合は、社会保険納入証明書等を日本年金機構で取得することが出来ます。
■社会保険料納入証明書、社会保険納入確認(申請)書の申請方法等について
日本年金機構ホームページの「納入証明書・納入確認書」へアクセスする→こちらをクリック
*社会保険料納入証明書については、
「1.社会保険料納入証明書」の申請様式「社会保険料納入証明申請書」の「【申請書(様式)】(PDF)」
↓
申請書の「5.証明事項等 ④出力区分」を「一括用のみ」を選び
↓
「⑤証明書範囲区分」を「延滞金含む」を選択して申請する
*社会保険料納入確認(申請)書については、
「2.社会保険料納入確認書」の申請様式の、「社会保険料納入確認(申請)書(未納の有無を確認する場合)」により申請する
3)について
■車や自転車などの交通違反
【軽微な違反の例】
駐車禁止違反
一時停止違反
携帯電話使用違反 など
過去2年間で、2~3回が限度と考えた方が良い
◎無免許運転、飲酒運転は軽微ではなく、一回でアウトです
「運転記録証明書」を5年分、提出しますので、ご自身で過去にどのような違反をしているか覚えていないという方がもしおられましたら、運転記録証明書を取得して確認してみるのも良いでしょう。
最寄りの警察署で請求用紙をもらい、必要な項目を記入の上、郵便局で手数料を支払うと、ご自宅へ送ってくれます。
*不法就労助長罪がある会社
この処罰は会社側が受けるものですが、この処罰を過去に受けた会社で勤務していた場合、社員として働いている外国人の帰化はNGとなります。
以上が「素行要件」です。
条文は短い一文ですが、これだけのことが求められます。

普通帰化のポイント④ 生計要件
法律上の要件
自己または生計を一にする配偶者その他の親族の資産、または技能によって生計を営むことができること(5条1項4号)
ご自身と同居のご家族によって、生計が成り立っているかが良くも悪くもポイントです。
ひとり暮らしの方だとご本人の収入のみによって申請となりますが、同居されている場合は同居者全員の収入の証明を提出することになります。
ご両親のみならず、ご兄弟姉妹、お子さまが働いているのでしたらお子さまも、です。
世帯分離をしていても関係ありません。
このあたり、帰化申請をするにあたり、ご家族の理解や協力が必要となりますので、よくよくご相談されることをお勧めします。
*月収について
金額の決まりはありません。
収入と支出のバランスがとれていることが重要です。
例えば、収入が比較的低いとみられるとしても持ち家や実家のため、家賃がかからないなど。
住宅については収入の中でも大きな金額に入りますので、その負担がないと生活は少ない金額で問題なかったりします。
また、収入が世間一般的に多いとみられる場合でも、ローンなど借金返済も多くある場合は差し引いた金額で生活ができなければ問題です。
だいたいの目安として、月給18~20万円以上ととらえると良いでしょう。
*借金等について
■住宅、車、クレジットカードのローン → 滞りなく支払っていれば問題ありません
■自己破産 → 復権を得てから7年経過後から申請が可能
■債務整理等 → 現状によって個別に判断となる
債務整理中の方は、差し押さえ等がなく、返済以外で収支が成り立っているかが重要です。
また、クレジットカードの支払いが滞り、カードを止められている場合も、現状がどのようになっているかを関係資料等を提出しての総合判断となりますのでご注意ください。
*会社経営者について
■原則、3期連続の黒字決算が必要(経常利益で)
■在留資格(ビザ)「経営・管理」の方は「3年」の期間をもっていること
■外国人本人の報酬を取っていること(月収18万以上)

普通帰化のポイント⑤ 喪失要件
法律上の要件
国籍を有せず、または日本の国籍の取得によってその国籍を失うべきこと(5条1項5号)
日本は二重国籍を認めていません。
そのため、日本国籍を取得した場合に、本国の国籍を離脱することができるかどうかがあります。
国によっては条件等がありますので、事前に確認が必要です。

普通帰化のポイント⑥ 思想要件
法律上の要件
日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法またはその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、もしくは主張し、またはこれを企て、もしくは主張っする政党その他の団体を結成し、もしくはこれに加入したことがないこと(5条1項6号)
日本を破壊するような危ない考え等を持っていないことを言っています。
テロリストや暴力団構成員などがあてはまります。

普通帰化のポイント⑦ 日本語能力要件
日本語能力についての明文はありませんが、国籍法のQ&Aに「日常生活に支障のない程度の日本語能力(会話及び読み書き)を有していることが必要」と記されています。(法務省:国籍Q&A)
日本語能力試験の3級くらいで問題ないようです(小学2年生程度の国語力)が、すべての外国人に日本語テストがあるわけではないようです。

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帰化申請は多くの書類をそろえる必要がありますが、その書類はご本人の状況やご家族によって変わります。会社経営者や個人事業主が同居者にいる場合はさらに必要な書類も増え、申請書類も一般より増えますので、書類の取得方法、申請書類の作成等、不安になることは多いと思います。また、法務局での相談は一度では終わらず、申請までに何度も行くことになります。
帰化申請は許可基準を満たしていることは当然ながら、求められる書類をきちんとそろえて提出することがとても大切ですので、事前にしっかりとポイントを押さえて必要書類を準備する必要があります。
ご家族構成や同居者などのご状況は様々だと思いますので、もし少しでも不安になることがありましたら、まずはご相談ください!ご事情をお聞きし、総合的にみて一度で許可となるようにご提案をさせていただきます。どうぞご安心してご相談ください。
初回相談は無料にてご対応しております。下記メールフォームからお問い合わせください。

この記事の作成者:行政書士 川西真由美
2014年6月 行政書士登録 申請取次行政書士
大阪府松原市にてハピネス行政書士事務所を運営
取扱業務 外国人の在留資格申請代行、帰化申請書類作成等
