帰化申請:簡易帰化―特別永住者

2023/01/21

帰化申請-手続き&ケース

ここでは簡易帰化のうち、特別永住者から申請する場合のポイント(条件)を説明します。

このページでわかること

1.帰化の7つの要件

2.申請の傾向とメリット・注意点

3.特別永住者の申請のポイント

4.関連情報

帰化の7つの要件

まずは帰化の要件です。

帰化の7つの要件

1.住居要件

2.能力要件

3.素行要件

4.生計要件

5.喪失要件

6.思想要件

7.日本語能力要件

それぞれの内容については下記のページをご参照ください。↓

帰化申請:普通帰化-取得のポイント(条件)

特別永住者の方は、この7つの要件のうち、「住居要件」が緩和されています。

また、「日本語能力要件」は不要のため、動機書の提出、日本語テストはありません。

申請の傾向とメリット・注意点

特別永住者というのは法律上決められた方のみが持っています。

在日韓国人在日朝鮮人の方があてはまります。

法律上の緩和要件としては、

日本で生まれた者で引き続き3年以上日本に住所、もしくは居所を有し、またはその父もしくは母(養父母を除く)が日本で生まれたもの(6条1項2号)

これには2つの方があてはまります。

1)日本で生まれて、引き続き3年以上日本に住所がある方

2)実の父、母が日本で生まれた方

ここから多くの在日韓国人、在日朝鮮人の方があてはまることになります。

日本で生まれ育っている方々ですので、人生の節目と言える場面で帰化申請を考えることは多いと思います。

例えば、

就職すると、様々な個人情報が分かってしまうため、就職前に帰化したい

公務員になりたい

日本人と結婚し、子どもが生まれ、戸籍を一緒にしたい

など、帰化する理由は様々だと思います。

申請のメリット

日本生まれの特別永住者の方は、申請すると許可される可能性は高い。

重い犯罪などのよほどのことがない限り、許可確率は高めです。

普通に日常生活を送っておられる方でしたら、ほぼ問題ないと考えられます。

これは審査に長い期間かかる帰化申請にとって、とても大きなメリットと言えます。

注意点

しかし要件は緩和されているとしても、申請をするにあたって書類等の手続きが簡単になるということはありません

しかも日本に住んでいる期間が長いため、集める書類が多くなる場合もあります。

とはいえ、キチンと書類を集めて申請書を作成して、法務局で受け付けされれば許可の可能性は高いのでご安心ください!

特別永住者の申請のポイント

特別永住者の方の申請で特に重要なものは、「素行要件」「生計要件」です。

まずは「素行要件」です。

法律上の要件

素行が善良であること(5条1項3号)

素行が善良とは、ひと言でいうと、真面目な人かどうか、ということになります。

「真面目」の定義も様々かもしれないですが、帰化申請においては以下の3点が求められます。

素行善良の3点

税金の支払い
健康保険、年金の支払い
交通違反など

大切なことは2つです。

1.税金、年金や保険をキチンと支払っていること

2.重大な交通違反や前科がないこと

それぞれ見てみましょう。

1について(税金)

会社員の場合

住民税特別徴収であれば、概ね問題ありません

住民税普通徴収の場合
ご自身で納付書等により支払っている → 未納がなければ問題ありません

特別徴収
給与から住民税として差し引かれている場合

普通徴収
ご本人宛に支払いの納付書が届きます

会社員でしか働いたことがない方も、転職したことがある場合は注意が必要です。

退職後、次の会社に就職するまでの間、普通徴収に切り替わっている場合があります

また、就職した会社で住民税を差し引かない場合も稀ですがあります。

もし、ご自身の支払い状況がどのようになっているか不安があるようでしたら、住民税については市役所等へ未納がないかの確認をされることをお勧めします。

経営者の場合

ご本人の個人の住民税
会社の
法人税事業税消費税など

会社の場合は、3期分の納税証明書等を提出します。
未納がなければ問題ありません

会社経営者については、税金関係の支払いについての知識は持っているものと判断されます。

未納の場合はまず許可にはならないことを心に留めておいてください。

追徴課税分割納付になっている場合、支払いが完了してから申請となります(未完了だと不許可になります)

個人事業主の場合

ご本人の個人の住民税個人事業税
売上に応じて消費税など

未納がなければ問題ありません

個人事業主の方は通常、普通徴収になっていますので、支払いについては特にご注意ください。

配偶者や同居者がいる場合

結婚されている方は配偶者の住民税も関係します。

また、お子さまやご両親ご兄弟姉妹が同居されている場合、彼氏彼女と同棲されている場合も関係します。

配偶者や同居者が帰化をされなくても変わりませんのでご注意ください(生計をともにしているため)。

未納がなければ問題ありません。

扶養者について

扶養者として、例えば海外在住のご両親を含めている場合は、その証明を提出しなければなりません

証明というのは、海外への送金履歴などです。

また、配偶者が働いていて扶養枠内を超えて収入がある場合も注意が必要です。

現在は扶養に入れるには証明が必要となっているため問題ないかと思いますが、適正な扶養ではないと心当たりがある方がもしいましたら、適正(扶養を外す)にして、住民税の修正申告と支払いをした上での申請となります。

特にご注意ください。

1について(年金、保険)

会社員の場合

会社で社会保険に加入給与より差し引かれている場合は、概ね問題ありません

会社員でしか働いたことがない方も、転職したことがある場合は注意が必要です。

退職後、次の会社に就職するまでに期間がある場合、国民年金に切り替わります(任意継続をされている場合は除く)。

また、就職した会社で社会保険に加入していない場合も、たいへん稀ですが、まだあるのが現状です。

もし、ご自身の支払い状況がどのようになっているか不安があるようでしたら、国民健康保険については市役所等へ未納がないかの確認をされることをお勧めします。

年金については、「ねんきん定期便」を日本年金機構から取り寄せることもできますので、不安がある方は確認することをお勧めします。

「ねんきん定期便」の問い合わせ先

専用電話番号
0570-058-555(ナビダイヤル)
「050」で始まる電話から架ける場合:
03-6700-1144
*「全期間分(封書)を交付希望」と伝える(日数がかかる場合もあり)

経営者の場合

会社として社会保険に加入が必須
納付状況も提出します → 未納がなければ問題ありません

社会保険に加入していない場合は、即NGです。

まず申請を受け付けてもらえません。

申請時に支払っていることが必須です。

ここに裁量はないものとお考えいただく方がよいです。

個人事業主の場合

従業員数が5人以下の場合 → 国民健康保険の加入
未納がなければ問題ありません

従業員数が5人以上の場合 → 
社会保険に加入が必須
納付状況も提出します → 未納がなければ問題ありません

従業員が5人以上いる場合に社会保険加入は必須であり、加入していなければ、即NGです。

この場合は会社経営者と同じです。

経営者の方は未納のあるなしについては把握していると思いますが、現状どのようになっているか確認されたい場合は、社会保険納入証明書等を日本年金機構で取得することが出来ます。

社会保険料納入証明書、社会保険納入確認(申請)書の申請方法等について

日本年金機構ホームページの「納入証明書・納入確認書」へアクセスする→こちらをクリック

社会保険料納入証明書については、
「1.社会保険料納入証明書」の申請様式「社会保険料納入証明申請書」の「【申請書(様式)】(PDF)」
 ↓
申請書の「5.証明事項等 ④出力区分」を「一括用のみ」を選び
 ↓
「⑤証明書範囲区分」を「延滞金含む」を選択して申請する

社会保険料納入確認(申請)書については、
「2.社会保険料納入確認書」の申請様式の、「社会保険料納入確認(申請)書(未納の有無を確認する場合)」により申請する

2について

車や自転車などの交通違反

【軽微な違反の例】
駐車禁止違反
一時停止違反
携帯電話使用違反 など

過去2年間で、2~3回が限度と考えた方が良い

◎無免許運転、飲酒運転は軽微ではなく、一回でアウトです

運転記録証明書」を5年分、提出しますので、ご自身で過去にどのような違反をしているか覚えていないという方がもしおられましたら、運転記録証明書を取得して確認してみるのも良いでしょう。

最寄りの警察署で請求用紙をもらい、必要な項目を記入の上、郵便局で手数料を支払うと、ご自宅へ送ってくれます。

罰金を受けた場合(暴行、傷害、万引きなど)

●10万円前後の罰金
支払ってから2~3年経過後で申請可能

●20万~30万円前後の罰金
支払ってから3~5年経過後で申請可能

罰金を支払って数年で帰化申請が可能なのは、特別永住者だからこそです。

一般の就労ビザ等から帰化申請をする場合は、罰金などがあると在留資格(ビザ)の更新ができなくなり帰国せざるを得なくなります。

この点、日本生まれの特別永住者の方はかなり優遇されていると考えられます。

では次に、「生計要件」を見てみましょう。

法律上の要件

自己または生計を一にする配偶者その他の親族の資産、または技能によって生計を営むことができること(5条1項4号)

ご自身と同居のご家族によって、生計が成り立っているかが良くも悪くもポイントです。

ひとり暮らしの方だとご本人の収入のみによって申請となりますが、同居されている場合は同居者全員の収入の証明を提出することになります。

ご両親のみならず、ご兄弟姉妹、お子さまが働いているのでしたらお子さまも、です。

世帯分離をしていても関係ありません。

このあたり、帰化申請をするにあたり、ご家族の理解や協力が必要となりますので、よくよくご相談されることをお勧めします。

月収について

金額の決まりはありません。

収入と支出のバランスがとれていることが重要です。

例えば、収入が比較的低いとみられるとしても持ち家や実家のため、家賃がかからないなど。

住宅については収入の中でも大きな金額に入りますので、その負担がないと生活は少ない金額で問題なかったりします。

また、収入が世間一般的に多いとみられる場合でも、ローンなど借金返済も多くある場合は差し引いた金額で生活ができなければ問題です。

だいたいの目安として、月給18~20万円以上ととらえると良いでしょう。

転職について

帰化申請をする1年以内に転職をした場合は、安定性がないとみられます。

転職後の会社で1年以上の期間が過ぎてから申請する方が良いです。

借金等について

■住宅、車、クレジットカードのローン → 滞りなく支払っていれば問題ありません
■自己破産 → 復権を得てから7年経過後から申請が可能
■債務整理等 → 現状によって個別に判断となる

債務整理中の方は、差し押さえ等がなく、返済以外で収支が成り立っているかが重要です。

また、クレジットカードの支払いが滞り、カードを止められている場合も、現状がどのようになっているかを関係資料等を提出しての総合判断となりますのでご注意ください。

会社経営者について

■原則、期連続の黒字決算が必要(経常利益で
■外国人本人の報酬を取っていること(月収18万以上)

以上が「生計要件」です。

その他の要件について

能力要件、喪失要件、思想要件の内容は変わりません。

詳しい説明は以下をご覧ください。↓

帰化申請:普通帰化-取得のポイント(条件)

以上が特別永住者の方の帰化申請のポイントです。

ご自身で申請をすることについて、少しでも不安をお持ちでしたら、まずはご相談ください!

関連情報

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帰化申請についてお悩みはありませんか?

帰化申請は多くの書類をそろえる必要がありますが、その書類はご本人の状況やご家族によって変わります。会社経営者や個人事業主が同居者にいる場合はさらに必要な書類も増え、申請書類も一般より増えますので、書類の取得方法、申請書類の作成等、不安になることは多いと思います。また、法務局での相談は一度では終わらず、申請までに何度も行くことになります。

帰化申請は許可基準を満たしていることは当然ながら、求められる書類をきちんとそろえて提出することがとても大切ですので、事前にしっかりとポイントを押さえて必要書類を準備する必要があります。

ご家族構成や同居者などのご状況は様々だと思いますので、もし少しでも不安になることがありましたら、まずはご相談ください!ご事情をお聞きし、総合的にみて一度で許可となるようにご提案をさせていただきます。どうぞご安心してご相談ください。

初回相談は無料にてご対応しております。下記メールフォームからお問い合わせください。


この記事の作成者:行政書士 川西真由美

2014年6月 行政書士登録 申請取次行政書士

大阪府松原市にてハピネス行政書士事務所を運営

取扱業務 外国人の在留資格申請代行、帰化申請書類作成等

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