高度専門職ビザ-申請のポイントとメリット
2023/02/09
就労ビザ-手続き&ケース

就労系のビザのひとつ、高度専門職ビザについて説明します。
このページでわかること
1.高度専門職ビザについて
2.高度専門職1号の7つのメリット
3.ポイント(条件)
4.高度専門職「2号」について
5.関連情報
高度専門職ビザについて
高度専門職ビザでは、「ポイント制」を通じて「高度外国人材」と認められた外国人に対して、出入国在留管理上の優遇措置がなされています。
これにより、日本の経済社会において、高度な知識や技術を持っている優秀な外国人の受け入れを促進することを目的とされています。
その活動内容は、一般的な就労資格よりも緩和されており、様々なメリットも加えられています。
■高度専門職の種類
高度専門職1号イ・・・高度学術研究活動
高度専門職1号ロ・・・高度専門・技術活動
高度専門職1号ハ・・・高度経営・管理活動
高度専門職2号・・・ほぼすべての活動内容が可能
*高度専門職1号「イ」の活動内容
主に、在留資格「教授」ビザ、「研究」ビザ、「教育」ビザの内容と重なります。
◎参考リンク:教授ビザ-申請のポイント(条件)
◎参考リンク:研究ビザ-申請のポイント(条件)
◎参考リンク:教育ビザー申請のポイント(条件)
*高度専門職1号「ロ」の活動内容
主に、在留資格「技術・人文知識・国際業務」ビザの内容と重なります。
また、技術・人文知識・国際業務ビザと同一の活動を含む「企業内転勤」ビザとも重なることが想定されています。
◎参考リンク:技術・人文知識・国際業務ビザ-申請のポイント(条件)
◎参考リンク:企業内転勤ビザ-申請のポイント(条件)
*高度専門職1号「ハ」の活動内容
主に、「経営・管理」ビザの内容と重なります。
◎参考リンク:経営・管理ビザ-申請のポイント(条件)
*高度専門職「2号」の活動内容
高度専門職1号イ、ロ、ハの内容の活動に加えて、それぞれに当てはまっていない活動を行うことができます。
そのため、ほぼ全ての就労活動が可能となります。
次に、メリットを見てみましょう。

高度専門職1号の7つのメリット
*1.複合的な在留活動の許容
■高度専門職1号イについて
高度専門職1号イの場合は、在留資格(ビザ)「教授」「研究」「教育」の内容と重なります。
例えば、研究ビザを持って働いている外国人が、その知識や経験を活かして会社経営をする場合には「資格外活動許可」を取得することになります。
高度専門職1号イを持って働く外国人の場合は「資格外活動許可」は不要です。
本来の業務と併せて、研究と関連する内容であればご自身の会社を経営することが可能です。
また、本来の業務とは別に、研究などのお仕事もできます。
ただし、本来の業務をせずに、会社経営をすることや別の企業とのお仕事をすることはできません。
◎本来の業務は「指定書」に記載されている企業等です。
また、「指定書」に企業名が記載されているため、転職の際は変更許可申請が必要です。
働き方の例
日本の公私の機関との契約に基づき、大学等の教育機関で教育をする活動や、民間企業の研究所で研究をする活動など。
また、これらの活動と併せて、教育や研究の成果を活かして事業を起こし、自ら経営するなど。
■高度専門職1号ロについて
高度専門職1号ロの場合は、在留資格(ビザ)「技術・人文知識・国際業務」の内容と重なります。
こちらも「イ」と同じく、本来の業務と併せて、技術・人文知識・国際業務ビザと関連する内容であればご自身の会社を経営することが可能です。
ただし、本来の業務をせずに、会社経営をすることや別の企業とのお仕事をすることはできません。
◎本来の業務は「指定書」に記載されている企業等です。
また、「指定書」に企業名が記載されているため、転職の際は変更許可申請が必要です。
働き方の例
所属する企業において、技術者として製品開発業務に携わる一方、セールス・プロモーション等の企画立案業務を行う活動など。
また、これらの活動と併せて、これらの活動と関連する事業を起こし、自ら経営するなど。
■高度専門職1号ハについて
高度専門職1号ハの場合は、在留資格(ビザ)「経営・管理」の内容と重なります。
こちらも「イ」と同じく、本来の業務と併せて、経営・管理ビザと関連する内容であればご自身の会社を経営することが可能です。
例えば、本来業務で役員として勤めている外国人が、同種同業の他者の社外取締役を兼ねたり、本来業務の会社以外に子会社を設立して経営するなどが想定されています。
ただし、関連する内容である必要がありますので、全く別業種の会社を経営することはできないことにご注意ください。
◎本来の業務は「指定書」に記載されている企業等です。
また、「指定書」に企業名が記載されているため、転職の際は変更許可申請が必要です。
働き方の例
会社の経営や、弁護士事務所、監査法人事務所などを経営・管理する活動など。
また、これらの活動と併せて、これらの会社、事務所と関連の有る事業を起こし、自ら経営するなど。
*2.最長の在留期間「5年」の決定
在留期間はそれぞれの在留資格(ビザ)ごとに決まった期間が決められており、申請の審査によって決定されますが、高度専門職の許可の際には最長の「5年」が一律に決定されます。
また、在留期間の更新もできます。
*3.永住許可要件の緩和
永住許可の要件の中で、「国益要件」というものがあります。
その中に、
「原則として、引き続き10年以上日本に在留し、このうち就労系ビザ、または居住資格を持って5年以上在留していること」
とあります。
この「10年以上」に対して以下のように緩和されています。
■原則10年在留に関する特例
*ポイント計算の結果70点以上を有する外国人
次のいずれかに該当する場合
■「高度人材外国人」として3年以上継続して日本に在留していること
■3年以上継続して日本に在留している外国人で、永住許可申請日から3年前の時点を基準としてポイント計算を行った場合に、70点以上を有していたことが認められること
*ポイント計算の結果80点以上を有する外国人
次のいずれかに該当する場合
■「高度人材外国人」として1年以上継続して日本に在留していること
■1年以上継続して日本に在留している外国人で、永住許可申請日から1年前の時点を基準としてポイント計算を行った場合に、80点以上を有していたことが認められること
◎参考リンク:永住ビザ-申請のポイント(高度人材外国人として70ポイント)
◎参考リンク:永住ビザ-申請のポイント(高度人材外国人として80ポイント)
*4.配偶者の就労
配偶者の方がフルタイムのお仕事をする場合、通常でしたら「技術・人文知識・国際業務」ビザなどの就労可能な在留資格(ビザ)を取得することが必要です。
そして、就労可能なビザを取得するためには、学歴や職歴に関する要件を満たすことが必要となってきます。
その点、高度専門職を持っている外国人の配偶者の場合、「特定活動」ビザで働くことができます。
この場合に学歴や職歴の要件を満たす必要はありません。
■配偶者が働くための在留資格(ビザ)
*高度人材外国人の就労する配偶者:「特定活動」ビザ
*高度人材外国人の扶養を受ける配偶者:「資格外活動許可」を取得(週28時間以内の就労)
*配偶者自身が就労可能な在留資格(ビザ)を取得する
*5.親の受け入れ
就労ビザの外国人の場合、通常は親を日本に受け入れることはできません。
高度専門職ビザでは、以下のいずれかに当てはまる場合には、高度専門職ビザを持っている外国人、またはその配偶者の親を日本に受け入れることが可能です。
■親の受け入れ条件
*高度専門職ビザを持っている外国人、またはその配偶者の7歳未満の子を養育する場合
*妊娠中の配偶者、または妊娠中の高度専門職ビザを持っている外国人本人の介助等を行う場合
*高度専門職ビザを持っている外国人本人と同居すること
*高度外国人材の世帯年収が800万円以上
世帯年収には本人と配偶者の年収を合わせてOK
*6.家事使用人の受け入れ
家事使用人の受け入れは、「経営・管理」ビザと「法律・会計業務」ビザのみ認められています。
高度専門職ビザでは、3つのパターンで家事使用人を受け入れることができます。
■家事使用人受け入れの3つのパターン
*本国で雇用していた家事使用人の受け入れ
*家庭の事情による受け入れ
*投資運用等に従事する金融人材の場合の受け入れ
それぞれの条件を見てみましょう。
条件:本国で雇用していた家事使用人の受け入れ
■高度外国人の世帯年収が、1,000万円以上
■呼び寄せ出来る家事使用人は1名まで
■家事使用人への報酬は月額20万円以上を予定
■日本入国前、高度専門職ビザの外国人に1年以上雇用されていたこと(高度専門職ビザの外国人と共に入国する場合)
■日本入国前、高度専門職ビザの外国人に1年以上雇用されていたことに加え、高度専門職ビザの外国人が日本入国後、本国の親族に雇用されていること(高度専門職ビザの外国人が先に日本に入国する場合)
■高度専門職ビザの外国人が日本から出国する場合は、共に出国すること
条件:家庭の事情による受け入れ
■高度外国人の世帯年収が、1,000万円以上
■家事使用人は1名まで
■家事使用人への報酬は月額20万円以上を予定
■家庭の事情:
申請時に13歳未満の子がいる場合
配偶者が病気等により日常的な家事ができない場合
条件:投資運用等に従事する金融人材の場合の受け入れ
■金融人材の世帯年収が、1,000万円以上
■呼び寄せ出来る家事使用人は2名まで(2名の受け入れには世帯年収3,000万円以上)
■家事使用人への報酬は月額20万円以上を予定
金融人材:
金融商品取引法に規定する第二種金融商品取引業、投資助言・代理業、投資運用業に係る業務を行う外国人
なお、投資等で得た利益は報酬ではないため、世帯年収には含むことはできないことに注意が必要です。
*7.入国・在留手続きの優先処理
高度専門職ビザについては、入国や在留審査は優先的に早期処理がなされます。
■在留資格認定証明書交付申請の場合:申請受理から10日以内を目途
■在留期間更新許可申請、在留資格変更許可申請の場合:申請受理から5日以内を目途
提出した書類の内容を詳細に確認する必要がある場合など、目途としている期間を過ぎることはあります。
「研究実績」のポイントについて、法務大臣の評価が必要なものは優先処理の対象外

ポイント(条件)
並べると複雑で分かりにくい内容になってます。
特に注意が必要なのは、「高度専門職1号ロ」「高度専門職1号ハ」は、ポイント計算の合計が70点以上であることに加えて、年収が300万円以上あることです。
ポイント計算の合計が、年収を除いて70点以上あったとしても、年収が300万円未満だとその時点で基準に満たなくなります。
また、申請の際に提出する書類は、②の在留資格(ビザ)の種類で必要な書類となります。
高度専門職「2号」について
高度専門職2号は、「高度専門職1号」で3年以上、活動を行っていた外国人が対象となります。
まずはメリットを見てみましょう。
*ほぼ全ての就労資格の活動を行うことが可能
高度専門職2号の活度内容は以下です。
■日本の公私の機関との契約に基づいて、研究、研究の指導または教育をする活動
■日本の公私の機関との契約に基づいて、自然科学または人文科学の分野に属する知識、または技術を要する業務に従事する活動
■日本の公私の機関との契約に基づいて、貿易、その他の事業の経営を行い、またはその事業の管理に従事する活動
■上記3つのいずれかの活動と併せて行う「教授」「芸術」「宗教」「報道」の活動、または「法律・会計業務」「医療」「教育」「技術・人文知識・国際業務」「介護」「興行」、もしくは「技能」の活動。
ただし、上記3つのいずれかの活動に当てはまる活動は除く。
高度専門職1号との違いは、
「指定書」に就労先の企業名等が指定されないこと
「関連する事業を自ら経営する」の文言がないこと
すなわち、転職しても変更許可申請をしなくて良いこと、また、本来業務と関連しない事業を立ち上げても良いということです。
ただし、本来業務をせずに、起業だけをすることはできません。
*在留期間は「無制限」
高度専門職1号のように「5年」という縛りは無くなります。
ただし、本来業務をしない期間が継続して6か月以上となった場合など、在留資格(ビザ)の取り消しの対象となります(永住との違い)
*「高度専門職1号」のメリット3~6
■高度専門職1号のメリットより
3.永住許可要件の緩和
4.配偶者の就労
5.親の受け入れ
6.家事使用人の受け入れ
高度専門職1号と同じ内容です。
次に、ポイント(条件)を見てみましょう。
「素行が善良」とは、法律を遵守し、日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいることです。
具体的には、犯罪歴の有無等をみて判断されます。
刑法犯等に限らず、刑罰や違反なども対象となりますので注意が必要です。
年収のくだりは、「高度専門職1号」と同じです。
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この記事の作成者:行政書士 川西真由美
2014年6月 行政書士登録 申請取次行政書士
大阪府松原市にてハピネス行政書士事務所を運営
取扱業務 外国人の在留資格申請代行、帰化申請書類作成等
